温泉再考【9】 有馬と城崎

 

温泉には、それぞれ泉才と呼ばれるものがあります。その温泉の持つ才能、性質をあらわすもので、それが違えば温泉の効能は変わってきます。
今回は古人の臨床例をもってその才を検証しようと思います。
病人は瘡腫と呼ばれる病を患っていました。瘡腫とは体内で生じた湿毒や古くなった血毒が停滞し、手や足が腫れて痛む病です。
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温泉再考【8】 家温泉

 

これまで東洋医学の世界において温泉とはどのようなものか。そしてどのような効果があるのか。
入浴するのに最も適した状態、最も効果のある入浴法、注意すべきことを順に紹介してきました。
これらは、口伝えで伝承されてきた温泉の利用法をまとめた画期的な温泉治療論であります。現代でも十分通用します。
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温泉再考【6】 浴法を守る

 

これまでお話してきたとおり、温泉の力は人の頑固な邪気や古い血を動かすくらいのものですから、当然間違った方へ働けば、身体の毒ともなります。そして、温泉の効能を最大限に引き出すためには、浴法を守らなければなりません。
まず温泉に入るには、身体を慣らすことから始めます。これはよく言われるかけ湯のことです。手足から徐々に体幹部へ移ります。そして、足先からつかっていきます。
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温泉再考【5】 硫黄と温泉

 

「温泉は硫黄が沸かしている」
これは古人が、なぜあのように熱い温度で温泉が噴き出してくるかということを考えて述べた言葉です。
日本全国を見渡せば、必ずしも硫黄が存在するとは限りませんので、もちろんそんなことはないのですが、日本のような火山の多い土地柄では、温泉とともに硫黄が産出するところが多いのです。
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温泉再考【4】 温泉の個性

 

今回は、温泉の個性を決める温泉の才能(泉才)についてお話します。
その前に、温泉の湧き方を思い出してみてください。「温泉は、地中に鬱積した陽の火が、水脈と交わり湧き出てきている」ものでした。
その過程で温泉に溶け出してきたものの違いでそれぞれの泉才が決定されます。
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