温泉再考【5】 硫黄と温泉

 

「温泉は硫黄が沸かしている」
これは古人が、なぜあのように熱い温度で温泉が噴き出してくるかということを考えて述べた言葉です。
日本全国を見渡せば、必ずしも硫黄が存在するとは限りませんので、もちろんそんなことはないのですが、日本のような火山の多い土地柄では、温泉とともに硫黄が産出するところが多いのです。
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温泉再考【4】 温泉の個性

 

今回は、温泉の個性を決める温泉の才能(泉才)についてお話します。
その前に、温泉の湧き方を思い出してみてください。「温泉は、地中に鬱積した陽の火が、水脈と交わり湧き出てきている」ものでした。
その過程で温泉に溶け出してきたものの違いでそれぞれの泉才が決定されます。
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温泉再考【3】 温泉の温度

温泉といえば、その土地によって様々な種類が存在し、湧出する場所や出方などもいろいろとあります。
温泉に入浴された際、硫黄泉や含鉄泉などの表示を見たことがあるかと思います。
また、湧出温度も100度近いものから30度くらいのぬるいものまでありますが、東洋医学ではこれら、温泉の種類をどうとらえるのかというお話をこれから数回にわたってご紹介します。
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温泉再考【2】 温泉に入ると

 

前号では、温泉というものがどのように湧いてくるのかということを、東洋医学の視点ではどのように考えるのかについてお話いたしました。
今回は、温泉に入ると人間の身体にどのような変化が出るのかということについてお話したいと思います。
『温泉小言』という書物には、「温泉の功は、陽気をのびのびと通じさせて、気の留帯をみちびき、皮膚や肉を温めて関節を動きやすくする。
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温泉再考【1】 温泉の湧き方

 

この「温泉再考」では、東洋医学の立場から、どのように温泉をとらえるのかということをお話ししていきます。
なかなか治効があがらない患者さんを、湯治に行かせたという江戸期の漢方家もいるくらいですので、やはり温泉には、相当な力があるようです。
昨今は、温泉の話はそこそこに、料理や景色といった風情が強く印象に残ったりします。
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東洋医学密語集 その一 虚と実/内傷と外感

そもそも東洋医学は、陰と陽の太極から成り立つ世界観であります。あらゆる事象をどこまでも陰と陽とに細分化でき、限りがありません。これから説明させていただく用語に関しても、単純に割り切れない多くの意味を内包しており、それを用いる状況によって意味合いが変化するため、すべてをお伝えすることは出来ませんが、皆さんが治療をお受けになる上で役立つのではと思います。

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東洋の蔵府【16】 五蔵と五労 その二

五労とは、字の如く労働のことです。ここでは、五蔵の正気を消耗させる労働のことを言います。今回は脾、肺、腎の「労」についてです。
「久しく坐せば、脾を傷る」と言われています。脾蔵の働きは消化に関することが主となっています。脾蔵と胃は、すり鉢とすり棒のようなもので、この二つがしっかりと飲食物をこなすことで消化がうまくいきます。
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東洋の蔵府【番外編】 脉診の科学

東洋の蔵府【番外編】 脉診の科学

脉診は手首の脉を指の感覚で捉えて、その状態から身体の内部の状態を診ようというものです。そこには、二十七種類の脉の形や、脉の流れるルートの変化といった要素があります。
脉診は東洋医学の診察法の中で最も重要なものでありますが、先程の二十七種類の脉やそのルートを判別するのは、施術者の指の感覚です。これは訓練を行えば、必ず判別がつくようになります。
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東洋の蔵府【15】 五蔵と五労 その一

東洋の蔵府【15】 五蔵と五労 その一

五蔵の虚(弱り)を生じさせてしまうことについては、以前紹介したことがあります。今日のサブタイトルである五労の労とは、エネルギーを激しく消耗させることを指します。
これから紹介する五つのことは、少しのことでは、エネルギーを消耗するに至りませんが、その動作が長く続くことで、五蔵を疲労させてしまうことに繋がります。特に仕事において、同じような体勢や作業を継続して行う場合が多いのですが、文字通り、労働というものが五蔵を疲労させることになるという話です。
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東洋の蔵府【14】 五蔵と脉

東洋の蔵府【14】 五蔵と脉

人体の肝・心・脾・肺・腎の五蔵は、それぞれ異なる性質を持っています。その異なる性質は自然界の季節の変化とリンクしています。例えば、春は肝の季節。春は陽気が伸び、上昇していきます。その作用を人体内でやっているのが肝なのです。
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