京野菜の気味【1】 夏(茄子)

 

漢方薬に使用する生薬には、「気味」と呼ばれるものがあります。これはその生薬の性質を示すもので、それが体内でどのような働きをするのかがわかります。
気味の気は寒、涼、平、温、熱とがあり、字の如く身体を温めたり、冷やしたりする作用を示します。
“京野菜の気味【1】 夏(茄子)” の続きを読む

地勢が生み出す治療法

 

古代中国において生まれた東洋医学には、様々な治療法が存在します。鍼、灸、漢方はもちろんのこと、導引、按摩の類も治療技術の内の一つです。それらの治療法は東西南北、そして中原(黄河流域)の五つの地域における特色ある地形、風土、生活習慣が生み出したのだと古人は述べています。
“地勢が生み出す治療法” の続きを読む

ウイルスと邪気

 

東洋医学において、目に見えない「気」という概念があるのは、妙鍼堂の患者さんならばご存知だと思います。
身体に悪影響を与える気のことを邪な(よこしまな)気ということで邪気と言います。風邪は文字通り風の邪気によるもので発熱、頭痛といった症状がでます。風邪のようなウイルスによる疾患に対して、東洋医学では、外部の邪気に感じた病で外感病と呼んでいます。
“ウイルスと邪気” の続きを読む

気候変化の秘密

 

日本を含む東アジアには、はっきりとした四季があります。
春夏秋冬の移り変わりは常にこの順序で巡ってきます。
その中で冷夏があったり、暖冬があったり、空梅雨があったりと毎年毎年全く同じではありません。
東洋医学において、春夏秋冬という恒常的な変化を起こす気を主気と言い、毎年違う変化を起こす気を客気と言います。
“気候変化の秘密” の続きを読む

温泉再考【10】 泉才の弁別

 

各温泉の持つ力を温泉の才能、「泉才」と古人は呼んでいます。
前回は当時、有馬温泉と城崎温泉に湯治にいった患者さんの身体の変化の違いをもってその泉才を検証しました。
では、その他の温泉についてはどうでしょうか。古書にはいくつかほどしか記載がありません。
“温泉再考【10】 泉才の弁別” の続きを読む

温泉再考【9】 有馬と城崎

 

温泉には、それぞれ泉才と呼ばれるものがあります。その温泉の持つ才能、性質をあらわすもので、それが違えば温泉の効能は変わってきます。
今回は古人の臨床例をもってその才を検証しようと思います。
病人は瘡腫と呼ばれる病を患っていました。瘡腫とは体内で生じた湿毒や古くなった血毒が停滞し、手や足が腫れて痛む病です。
“温泉再考【9】 有馬と城崎” の続きを読む

温泉再考【8】 家温泉

 

これまで東洋医学の世界において温泉とはどのようなものか。そしてどのような効果があるのか。
入浴するのに最も適した状態、最も効果のある入浴法、注意すべきことを順に紹介してきました。
これらは、口伝えで伝承されてきた温泉の利用法をまとめた画期的な温泉治療論であります。現代でも十分通用します。
“温泉再考【8】 家温泉” の続きを読む

温泉再考【6】 浴法を守る

 

これまでお話してきたとおり、温泉の力は人の頑固な邪気や古い血を動かすくらいのものですから、当然間違った方へ働けば、身体の毒ともなります。そして、温泉の効能を最大限に引き出すためには、浴法を守らなければなりません。
まず温泉に入るには、身体を慣らすことから始めます。これはよく言われるかけ湯のことです。手足から徐々に体幹部へ移ります。そして、足先からつかっていきます。
“温泉再考【6】 浴法を守る” の続きを読む