症例3

無月経 20代 女性

症状
数年前、腎臓の病気で入院し、その後月経が来なくなった。
婦人科にかかり漢方薬などを飲んでみたが一向に改善しない。
この方を診察して、まず顔色が優れないということ、また膝から下の皮膚の色が悪く黒ずんでいることに気がつきました。
脉を診ると、腎と脾の虚(弱り)がみられ、腹部は腹直筋にやや拘攣があり下腹部には抵抗がみられました。
この下腹部の抵抗は腎蔵の病気の時に投与されたステロイド剤によるオ血(古くなった血)であります。
本人いわくお腹が張るということです。

治療の主体は、腎と脾の虚(弱り)を助けることでした。鍼と灸の両方で治療していき、一方で下腹部の抵抗は強い冷えと思われたのでそれに対する処置も考えながら、治療をしていきました。

だいたい1週間から2週間に1回のペースで治療を続けること半年で最初の月経がきました。
最初は色が黒に近かったのですが、その色も何度か月経が続くうちに解消されていきました。
それと同時に、顏色が良くなり肌の調子もよくなったということです。
現在も月経のペースはほぼ安定しています。