症例2

アトピー性皮膚炎 30代 女性

症状
膝の裏や肘、そして肩甲骨まわりが特にひどく、滲出液を伴い痒みが強い。
他の症状としては、月経の不順、肩のこり、腰痛がある。
痒みは夜間も強く眠れない日も多い。
この方の脉で特徴的なのは、左の脉にある風邪の脉です。
飮食の不節制や寝不足、過度の労働によって、腎と脾が弱り、そこに風の邪気を受けたのです。

腎や脾が弱ることにより、身体の中で発生した熱の発散を身体の表面に居座る風の邪気に阻害されてしまいました。
そのため、皮膚の部分に熱が留まり、皮膚炎を起こしました。
治療は腎や脾の弱りを助けることと、風邪を発散させることが主体になりました。
また、腎と脾の弱りのために生じた湿毒に対しても処置をおこないました。
ご本人にも飮食や睡眠に気を使っていただき、今では見た目はほとんど完治し、痒みはまれにある程度という状態まで回復しました。
治療を始め一年半、ここにたどり着くまでは、悪化と寛解のくりかえしでしたが、辛抱強く治療を継続していただいたおかげで今の状態にまでなりました。
他の症状もほとんど解消したので、同じ原因によって起こっていたと思われます。