京野菜の気味【3】 冬(ねぎ)

 

年中見かけるねぎは、薬味などにも重宝され、冬場は特に鍋物に入れられることが多くなります。そのねぎ、実は冬が旬となり、甘み、風味が一段と増します。京野菜の九条ねぎは、青ねぎの代表格で、古くは奈良時代の頃に浪速から移ってきたといいます。また長ねぎは、その九条ねぎが関東へ持ち込まれ、改良されたもので、栽培方法に違いがあるようです。
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京野菜の気味【2】 秋冬(かぶら)

 

暑い夏もようやく終わり、なんとか秋になってくれましたが、秋には秋の気候の変化があり、それにあった野菜が店先に並ぶようになります。
10月後半から旬をむかえるのは聖護院かぶらです。千枚漬けの原料になるので、京都以外の方にも馴染みの深い野菜です。 聖護院かぶらの起源は滋賀県にあるようで、江戸後期になって聖護院辺りの農家の人が種子を譲り受けて育てたのが始まりといわれます。
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京野菜の気味【1】 夏(茄子)

 

漢方薬に使用する生薬には、「気味」と呼ばれるものがあります。これはその生薬の性質を示すもので、それが体内でどのような働きをするのかがわかります。
気味の気は寒、涼、平、温、熱とがあり、字の如く身体を温めたり、冷やしたりする作用を示します。
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地勢が生み出す治療法

 

古代中国において生まれた東洋医学には、様々な治療法が存在します。鍼、灸、漢方はもちろんのこと、導引、按摩の類も治療技術の内の一つです。それらの治療法は東西南北、そして中原(黄河流域)の五つの地域における特色ある地形、風土、生活習慣が生み出したのだと古人は述べています。
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ウイルスと邪気

 

東洋医学において、目に見えない「気」という概念があるのは、妙鍼堂の患者さんならばご存知だと思います。
身体に悪影響を与える気のことを邪な(よこしまな)気ということで邪気と言います。風邪は文字通り風の邪気によるもので発熱、頭痛といった症状がでます。風邪のようなウイルスによる疾患に対して、東洋医学では、外部の邪気に感じた病で外感病と呼んでいます。
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気候変化の秘密

 

日本を含む東アジアには、はっきりとした四季があります。
春夏秋冬の移り変わりは常にこの順序で巡ってきます。
その中で冷夏があったり、暖冬があったり、空梅雨があったりと毎年毎年全く同じではありません。
東洋医学において、春夏秋冬という恒常的な変化を起こす気を主気と言い、毎年違う変化を起こす気を客気と言います。
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温泉再考【10】 泉才の弁別

 

各温泉の持つ力を温泉の才能、「泉才」と古人は呼んでいます。
前回は当時、有馬温泉と城崎温泉に湯治にいった患者さんの身体の変化の違いをもってその泉才を検証しました。
では、その他の温泉についてはどうでしょうか。古書にはいくつかほどしか記載がありません。
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