東洋の蔵府【8】 五臓とつながる身体

東洋の蔵府【8】 五臓とつながる身体

五臓、つまり肺、心、脾、肝、腎という臓は身体の最も深い部分に存在します。
五臓は身体の様々な部分とつながりがあります。これを身体の表面から順番に説明していきましょう。
まず、身体の一番表面には、皮毛があります。肺は五臓の最も上にあって、天の気、言い方を変えると外気に触れる部分です。
なので、皮毛と肺は関係があるのです。肺気が弱ると皮毛にある汗孔の開閉がうまくいかなくなり、外からの冷えや風邪を受けやすくなります。

その次にあるのが脉です。脉は気血の通るルートです。脉は心と関係がる部分と東洋医学では考えます。
気血の運行とは人間の生命活動の中で最も核心の部分であって、それを君主の官である心が統括しています。
別の言い方では脉は「神(生命活動をおこなう大自然の働き)の舎」であるとも言われています。
その次には肌肉という部分。ここは脾と関わる部分で、脾の働きが弱り肌肉の力がなくなると
その部分に水分が停滞して身体が重だるくなったり、関節痛を起こしたりします。

そして肌肉の下は筋です。ここには肝気が引き締ることによって血が集められてきて、力を要する強い力を生み出します。
血が筋に十分にいきわたればいいのですが、他の部分で血を消耗することが多いと筋に血が少なくなります。
そのようなときは、筋がひきつる現象、例えばこむらがえりが起こりやすくなります。

骨には髓がおさめられており、腎気の力で温められて、筋とともに身体の芯の強度を保ち、身体を支える役割を担います。
腎気が少なくなり、骨が冷えてくると身体の奥の方が痛くなるということがあります。これを骨痛と呼び、深い部分にまで病気が進行していると考えます。
このように身体の各部分も五臓を根っことし、そこから力を得てそれぞれの役割を果たしているのです。