症例4

複視 40代 女性

症状
ある晩にテレビを見ていたら、なんとなく違和感を覚え、次の日の朝に起きると、物が二重に見えるようになった。
病院に行くと、右目の運動範囲がおかしく、外方に向けることができないことがわかった。
CTやMRIなどを撮ったが原因がわからず、知人のすすめで来院。
そんなに多くはない症例ですが、この方の場合は右手の脉の上半身の気のめぐりが悪くなっており、拍動も遅く気が停滞しているのがうかがえました。また腹部には気の停滞とそれに伴う湿気の停滞があり、それが脉動を遅くしていたと考えられます。湿気は重く粘る性質があるからです。

眼球の運動障害はその気の停滞と湿気であると考えて、湿気を動かすために脾臓を助け、気の停滞の見られた陽明経という経絡を中心に処置をしました。
一回目から三回目はあまり変化が見られませんでしたが、四回目に少し外側へと目が向けるようになり、二重に見えるのも遠くだけになりました。
その後五回目、六回目と徐々に可動範囲が増していき、複視も完全に回復しました。
病状の回復と共に腹部に停滞していた湿気もなくなっていき、七回目の終了時にはかなり柔らかくなっていました。