症例11

五十肩(左肩があがらない) 60代 男性

症状
左肩が上がりにくく、ある程度まで動かすと痛む。頸部も固まっている感じがする。小指と薬指に痺れ感がある。既往歴として、交通事故後の頚部のムチウチがある。
60代の男性の方です。普段からジムで身体を動かしているにも関わらず生じた
ので、不思議そうにされていました。
いわゆる五十肩の軽い状態のものですが、脉を取ってみると堅く、そして細くなり、流れが渋っている状態でした。これは気の流通が悪いのと冷えていることにより起こっているものです。
関節の痛みや痺れを「痺症」と言います。これは、風、寒、湿の性質をもつ外気によって人体の経脈の流れを阻害されるために起こります。この方の場合は、特に寒の性質をもつ邪気の影響を受けたと思われます。運動不足から起こったのではなく、冷えたことにより起こったわけです。
治療は列缺という経穴を使いました。列缺は肺の経絡にあり、肌表に停滞した冷気を散ずることができます。
四回目の治療時には、痛みもとれ、動きも共に元通りになっていました。