症例10

眩暈(めまい) 30代 女性

症状
眩量(めまい)がひどい。頭が揺れるような感じで起きていられない。肩の凝りが強い。
30代の女性の方の症例です。肩の凝りは普段からあったのが、仕事のストレスにより悪化した上に、ひどい眩暈を起こしたものです。
脉をとってみると拍動の表面からやや深い部分において弦脈という緊張した脈になっており、そして頭の位置において特にそれが顕著となっていました。
脈拍がやや速いので体内に熱があることも読み取れます。
一方、背中側には右側の肩甲骨の下ぐらいの肝兪という経穴から肩甲骨の間まで硬い状態でありました。
以上からわかるのは、仕事のストレスにより肝気が欝滞を起こし、それが熱を生じているということです。熱は性質として上部へと昇るのでそれが眩暈の原因となっているのです。
この場合の治療として、頭部の百会という経穴を使用することが多いのですが、脉が熱を帯びていることを考慮して肝臓の經絡にある行間という経穴を用いました。
身体に起こった反応は、脉が表面へと浮き上がってきたことです。これはやや深くにあった気の停滞が緩んだために起こったのです。
脈拍も落ち着きを取り戻していました。熱が抜けたためです。
症状の経過は一回目の治療後、頭部がすっきりとし、主症状の減退がありました。眩暈の症状は三回目で消失し、それ以後も再発はしていません。