症例7

坐骨神経痛 60代 女性

症状
左の臀部(おしり)やふとももの裏が痛む。特に階段を昇ったりしたあとに痛みが強い。
朝方、手足のこわばりを感じる。
60 代の女性です。この方の脉の特徴は、しょく脉という気の流れが悪く、しぶるような脉であることです。
特に左の脉は足腰に配当される部分に顕著にその脉が出ています。
もう一点の特徴は左の腹部にあります。お臍の下のやや左側に堅いすじばりがあるのです。これはオ血です。
(オ血とは体内の循環経路から外れて古くなった血のこと)

このような脉やお腹になった原因の一つに気鬱と呼ばれる状態が挙げられます。
鬱という漢字から想像できるように気持ちの鬱状態から体内の気の循環が停滞を起こしている状態です。
気が停滞してめぐりが悪くなり、血の停滞が起こる。
この状態が長く続くことで今の身体になっていきました。

血の停滞はお腹だけにあるのではなく、左下腿の筋肉内にある血も停滞が起きています。
こわばりは血が停滞することで、筋肉に血が行きにくくなることから、朝の時間に必要な血が足りなくなるからです。
これが身体の状態です。
治療には、気鬱を解消するような鍼が第一になります。
そうしていくことで、血が動き出すようになっていきます。
気の循環だけ改善しては血の動きにくい時は、オ血を下す鍼をしていきます。お腹に直接鍼をすることも効果があります。