症例8

不整脈 70代 女性
症状
不整脈がある。検査でもはっきりと出ている。
自覚的には動悸があって、ふらつきもある。時々、胃がしまるように痛む
七十代の女性です。外へ出かけるのが大好きということですが、
上記の症状のせいで、出かけることが減ったとおっしゃいます。
さて、脉をとりますとやや速めの脈拍で、その中に脉が止まる時があります。これを代脉といいます。
そして、身体でいうと臍より下の下半身を調べる脉の部分が浮いています。
また腹診では、へその下からみぞおちにかけて、ドクドクと動気が診られます。
これは本来へその下に納められている気が、上へとかけ上っている現れです。
このような状態を奔豚(ほんとん)と呼んでいます。
このような身体の状態は、腎の働きの低下によります。
腎とは身体の根っこである丹田(へそのした)に気を納めることで、根幹を丈夫にしている役割があります。
その力が弱っている状態ですので、気が納まりきれずに、上へと昇るのです。
浮いている脉とはこの気の状態を現しています。
気の上昇と共に水が上昇し水毒となって、胃や心に停滞します。これが、動悸や胃痛となって現れるのです。
治療の中心はもちろん腎です。この方の場合は背中にある腎兪というツボに施術をしました。
そうすると、脉の速さが落ち着いてきます。気が下がったからです。
そして、腹部にある水毒をターゲットにして鍼をします。
水毒も気が下がるにつれて降りるので、胃の辺りもすっきりとしたようです。