症例5

顔面部の皮膚炎 30代 男性

症状
一昨日から鼻の横、頬の部分の皮膚に炎症が起こった。
発赤があり、乾燥して痒い。
このような顔面部の皮膚炎はいつもいつも見るような症状ではありませんが、
2~3日前から顔面の頬の部分が赤くなり乾燥して痒いという症状です。脉をとると胃の反応を診る部分の脉が特に強く熱を帯びている様子でした。
また腹部は胃の経絡が通る部分の筋肉が硬くなり乾いていることがうかがえました。
顔面の皮膚炎を起こしている部分は大小の腸の反応が出る部分でも有りますし、前述の胃経が通る部分でも有ります。
以上のことから、今回の症状はその胃腸に熱が発生したことが原因だとわかります。
問題はどのような原因から熱が発生したのかですが、この方の場合普段から脾臓の弱りが見られます。
脾臓の精気を弱らせることにより、胃腸が潤いを失ってしまい、結果として熱が発生したのです。
この治療には、胃腸の熱を抜くとともに脾臓の精気を補ってやることが大事で、
脾臓の弱りを助けてやることで、潤いのなくなった胃腸の熱をおさめるのです。
この方は普段から治療を受けていたので一回の治療でほぼ元通りになりました。
このような症状は臨床でしょっちゅう見るものではありません。しかし、身体に現れてくる情報を的確に掴むことができれば、治療方針は立ちますし、改善することができるのです。