症例12

月経困難症 30代 女性

症状
月経前になると、頭痛、疲労感、吐き気などの症状が出る。ひどい時は家事もままならない。
30代の主婦の方の症例です。5歳と1歳のお子さんがいます。上記の症状は、出産後に月経が再来する時、一番強く出てくるそうです。
脉を取ってみると、一見、強く感じ、疲れて力が出ないような脉ではないのですが、深く指を沈めていくと、空虚な感じで、気血が消耗しているのがわかります。
深い部分の脉がそうなっているのは、内部での気血の消耗が激しいからで、強く感じる脉は、内部の消耗により、表面の気のみが頑張っているからです。
つまり、これはただでさえ血を消耗する月経時に、それに必要な気血が足りていないということなのです。産後は出産時の消耗とともに母乳によって母親の身体の気血は出て行ってしまいます。そのため、出産後ほど症状が強く出ているわけです。
頭痛や吐き気は気が上部に上って起こる病ですが、この症例の場合は、上部の気をターゲットにするよりも内部の消耗に目を向けなければなりません。
使う経穴は、三陰交というところです。脾、肝、腎という陰の経絡が交わる所で、内部の陰気を補い、気血の消耗を助けます。
月経時のつらい症状は、治療をすることで治まりましたし、普段から、気血を補う治療を継続することで、月経時の症状は解消していきました。